
パートナーシップ合意契約とは
法律上の婚姻関係ではないカップル(事実婚や同性カップル)の間で婚姻関係に準じた関係を作る契約です。「準婚姻契約」ともいいます。
契約で決められること
公序良俗に反しない限り、おふたりの間で自由に決めることができます(民法第90条)。例えば、つぎのような内容が考えられます。
ふたりが愛情と信頼に基づく真摯な関係であること
第○条 甲及び乙は、愛情と信頼に基づく真摯な関係にあることを確認する。
2 甲及び乙は、将来にわたるパートナーとしての意思が揺るぎないものであることを互いに誓約する。
民法で定められている婚姻関係の内容
同居・協力・扶養義務(第752条)、婚姻費用の分担(第760条)、日常家事代理権(第761条)、財産帰属(第762条)、貞操義務(第770条第1項第1号)、離別時の財産分与(第768条)など
第○条 甲及び乙は、同居し、共同生活において互いに責任を持って協力し、及びその共同生活に必要な費用を支払能力に応じて分担する義務を負うものとする。
ふたりで決めた約束事
家事の分担、一方の子の養育、親の介護、ケンカの解決方法、契約を解除する条件など
第○条 甲及び乙は、合意により本契約を終了させることができる。
2 甲又は乙は、他方が本契約条項に違反した場合その他本契約を継続し難い事由がある場合は、相手方に対する意思表示により、本契約を解除することができる。
医療キーパーソンの指定について
パートナーシップ合意契約を作成するときは、お互いに医療キーパーソンに指定しておく条項を設けることをおすすめします。
法律上の拘束力や救急・医療現場での強制力はありませんが、自分自身やパートナーが急な病気やケガになったときに、おふたりの関係を説明しやすくなります。
治療の立ち会い・医師からの説明
第○条 甲及び乙は、そのいずれか一方が罹患し、病院において治療又は手術を受ける場合、他方に対して、治療等の場面に立ち会い、本人と共に、又は本人に代わって、医師らから、症状や治療の方針・見通し等に関する説明を受けることを予め委任する。
入院時の付き添い・面会・手術同意書の署名
第○条 罹患した本人は、その通院・入院・手術時及び危篤時において、他方に対し、入院時の付添い、面会謝絶時の面会、手術同意書への署名等を含む通常親族に与えられる権利の行使につき、本人の最近親の親族に優先する権利を付与する。
身体能力や判断能力が低下したときの生活のサポート
第○条 甲及び乙は、そのいずれか一方の身体能力又は判断能力が低下したときは、他方は一方の生活,療養看護及び財産の管理に関する事務を可能な限り援助し、一方の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況を配慮する。







公正証書で作成可能
パートナーシップ合意契約は、公正証書でも作成可能です。公正証書は、法律の専門家である公証人が作成する作成した公文書で、証明力などで優れています。
つぎのような流れで作成します。
- 公証役場に依頼
- 公証人が案文を作成
- 公証役場で、当事者の立会いのもと、署名捺印をして完成
- 公証役場へ手数料の支払い
注意点


