
お世話してくれる人をみつけておく
愛犬・愛猫は、家族の大切な一員です。飼い主が最後まで責任をもってお世話をする必要があります(終生飼養)。
しかし、「もしも」のことが起きて、お世話ができなくなることも考えられます。そのようなときに備えて、普段から愛犬・愛猫のお世話を頼める人をみつけて、あらかじめその人に了承をとっておきましょう。
例えば、急な入院や外出先でアクシデントが起きて帰宅できなくなったときなどに、一時的にえさやりなどのお世話をお願いしたいのであれば、近所の方やお住まいの自治体に相談するのがおすすめです。立川市では「ちょこっとボランティア」が、入院中のペットのエサやりをしてくれる制度があります。
愛犬・愛猫の介護が必要だけど、自分では難しいという場合は、ペットシッターや老犬ホーム・老猫ホームなどのサービスを利用するのもよいでしょう。ペットシッターは、スタッフが自宅を訪問し、愛犬・愛猫のお世話をします。老犬・老猫ホームは、愛犬・愛猫を施設に預かり、介護などのお世話をしてくれるサービスです。
つぎの飼い主をみつけておく
病気や体力的な問題でどうしても愛犬・愛猫を飼えなくなったり、飼い主自身に突然不幸があることも考えられます。
そのような場合でも、愛犬・愛猫が路頭に迷うことがないように、元気なうちに愛犬・愛猫を引き継いで飼い主になってくれる、信頼できる人をみつけておく必要があります。
心あたりがない方は、かかりつけの動物病院、動物愛護団体、お住まいの自治体の動物愛護センターなどに相談して、協力をお願いするのもおすすめです。
緊急連絡カードやエンディングノートを用意する
緊急連絡カードやエンディングノートを用意し、愛犬・愛猫や飼い主についての情報を記しておきましょう。
突然の事態で、一時的に愛犬・愛猫のお世話をしてもらうことになったり、つぎの飼い主に飼ってもらうことになっても、愛犬・愛猫がこれまでどのように過ごしてきたか、好きなことや苦手なことなどがわかるので、お世話にあたる方も安心してバトンを受け取れます。
緊急連絡カードのひながたは、東京都動物愛護相談センターが用意しています。
エンディングノートは、書店などで販売されているものに、性格、かかりつけの動物病院、持病の有無、健康診断の結果、ワクチン接種歴、生活習慣(食事・運動)などについて書き加えるものよいです。また、最近は飼い主向けのノートが販売されているので、そちらに記入してもよいでしょう。





参考:ペットを守る緊急連絡カード(東京都動物愛護相談センター)
ペットのために財産をのこしたい
負担付遺贈
負担付遺贈は、信頼できる人に愛犬・愛犬のつぎの飼い主になってもらう代わりに遺産を贈ることを遺言書で指定する方法です。
この方法は、受贈者(財産を贈与される人)が同意していなくても、遺言者(財産を贈与する人=現在の飼い主)の一方的な意思で遺言ができます。
しかし、現在の飼い主に不幸が起こったときに、受贈者として指定された人が「愛犬・愛猫も、財産もいりません」と言われてしまう恐れがあります。
また、受贈者が遺産だけをもらって、愛犬・愛猫のお世話を放棄されてしまう可能性もあります。
負担付死因贈与契約
負担付死因贈与契約は、現在の飼い主とつぎの飼い主の間で、双方の合意によって「自分の死後に、愛犬・愛猫の飼い主になってもらう代わりに遺産を贈る」と契約を結ぶ方法です。
贈与契約は一方的な契約の破棄は認められないため、現在の飼い主としては負担付遺贈よりは安心できる方法といえるでしょう。
民事信託
民事信託とは、委託者(現在の飼い主)が受託者(信託会社など)に財産を預け、受託者は、委託者に指定された新しい飼い主に対して、受託者から預かった財産のなかから飼育費を定期的に渡すという仕組みです。
現在の飼い主に不幸が起きなくても、認知症や体力的な問題で飼養が難しくなったときから、契約の効力を発生させることができます。
また、つぎの飼い主がきちんと飼養しているかをチェックする信託監督人を指定することもできます。負担付遺贈や負担付死因贈与契約よりもさらに安心できる仕組みといえるでしょう。
以上3つの方法のどれを選ぶとしても、大切なことは、安心して愛犬・愛猫のことを任せられる、信頼できる人を見つけられるかどうかです。



動物は法律上「物」の扱いとなるため、動物に遺産の相続をさせることはできません。
ペットと一緒にお墓に入りたい場合は
人間とペットと一緒にお墓に入ることは、法律的には問題ありません。
しかし、一般的な墓地・霊園の場合、動物に対する考え方や宗教観の違いなどにより、同じ墓地・霊園の利用者から反対されることがあります。
ペットと一緒に入れる墓地・霊園をインターネットなどで事前に探しておくことをおすすめします。